前職在職中は副業として、大学生に英語を教えたり、また短期間ではありますが、英語の試験監督官を経験しました。
2013年頃の話です。
ある朝、新聞を読んでいたら
- 2ヶ月に1度程度、早朝出勤ができる人
- 英検準1級レベル相当の英語能力がある人
- 県外への出張が可能な人
IELTSの試験監督官を経験する
イギリスで留学及び就業を希望する場合、原則、IELTSのスコアを求められます。
英国内で就学する場合は、このスコアによって入学許可となる学校のレベルが決まるので、留学したい学校の基準スコアに達しない場合、何度でも受けてそのスコアをクリアするか、就学先を変更することになります。
就業する場合はもっと厳しく、テストの内容も就学希望者とは別の試験問題で、高スコアを取得しなければなりません。
不正移民を厳しく取り締まる国なので、試験内容も厳しいですが、身代わり受験を防ぐため受験会場へ入場する際は、入念なチェックが行われていました。
受験当日はパスポート持参が必須ですし、遅刻なんてもってのほか。
1分でも遅刻すると受験は認められません。2021年5月現在、25,380円の受験料が無駄になります。
仕事は2ヶ月に一度程度
一見、美味しい話のようですが、稼働日数は2ヶ月に1度程度。
当日朝7時半集合、試験会場のチェックと準備をして、9時には試験開始です。
最終試験が終わるのが、午後7時頃ですから、拘束時間はまあまあ長いです。
応募者は、主婦と定年を迎えた人がほとんどで、他に仕事を持って応募して来ていたのは私一人のようでした。
仕事内容は、会場準備、案内、試験監督ですが、試験場へ入場する前、試験中のチェックが相当厳しく、我々もマニュアル通りに間違えないよう動くことが求められました。
ある意味、この試験がひと様の人生を左右すると思うと、緊張を伴う仕事でしたが、役得だったのは、たま〜に、県外出張があること。
始業時間が早朝であるため、往復交通費と前泊分の宿泊費が支給されるのです。
試験本番は土曜日。当時私は、金曜日に有給を取って出張先を観光し、翌日仕事のあと新幹線に乗って帰る、というパターンをとっていました。
まるで旅行へ行かせてもらって、賃金が貰えるようで、すごく楽しかったです(笑)。
たまに遭遇したレアな受験生たち
日本で実施を代行しているのは日本英語検定協会(英検)ですが、ブリティッシュ・カウンシルと言う英国機関が実施する試験なので、ルールは大変厳しいです。
それなのに・・・。
パスポートを忘れてきた高校生
高校生のグループで会場へ和気あいあいとやってきたお嬢さんのうちひとりが、パスポートを忘れました、と受付へ言ってきました。
固まる我々。ご本人はあっけらかんとしています。
英検では、受験票を忘れても仮受験票を発行して受験が可能です。
でも、このIELTSはそういった救済措置がなく、門前払いとなります。
現場責任者が、試験開始までにパスポートが届かなければ、試験を受けられませんと伝えたところ、携帯で本人と話していたご家族が、責任者に電話を変わってくれと頼んで、抗議をされたそうですが、英検側もどうしようもなく。
パスポートを忘れた高校生は、ぷりぷり怒りながら帰っていきました。
20分遅刻してきた外国人
試験開始から20分遅れた、ものすごーく遠い国から来た外国人。
現場責任者がすでにリスニングテストが始まっているので、会場へ入れないことを伝えました。
ご本人曰く、家族や知人が受験するための渡航費用や受験料を用意してくれたのに。自国には妻と子供2人がいて自分が英国で就業できることをあてにしている、など事情を切々と訴えたようですが、規則は規則なので、受験会場へは入れません。
責任者が、「リーディングテストと面接試験は受験可能、でも、それはあくまでも参考スコアとなりますが、どうします?」と聞いたところ、
「それなら、いいや」と言って帰っちゃった。
え?いいの?帰っちゃうの?
てか、普通、そんなにまでして来てるのに、試験に遅れるとかなくない?(南半球から来てるのに)
試験監督を辞めた理由
そのたまに美味しい話があった試験監督官の仕事は、転職を機に辞めました。
1番の理由は、会社側へ副業届けを出す必要があり、転職したばかりで上司に言い出せなかったこと、転職先の業務に慣れる必要があったことが理由です。
私が辞めたすぐ後、沖縄1泊の話があったそうです。
いいな〜沖縄、1泊でもいい、行きたかった(笑)
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