お義兄さんのiDeCo終了

株に水をやる


姉のつれあいは、現在63歳。
50歳からiDeCoの加入年齢上限60歳まで加入し、このたび一時金として一括受け取りしました。
結論から言うと、運用結果は、元本を数万円下回り、損切りした格好です。

地銀からのお願いだった

13年前、両親の代から付き合いのある地銀の外回り担当者から、お願いできませんかと言われたのがきっかけです。
義兄の性格は慎重そのもので、このGoogle社会を隅から隅まで調べ倒してから、なんでも決断する人です(笑)。

13年前、10年にわたって月々定額で、家計費から支出するこの制度を、調べ倒しました。
(当時、私は義兄がiDeCoに加入したことを、知りませんでした。)
そして、50代からの加入はリスクを伴うと判断し、一度は断わりました。

いったん、引き下がった地銀担当者ですが、その月末、携帯電話から切羽詰まった様子で、ぜひお願いできませんか、と再度お願いがあったのです。
情にほだされ、一番手堅いリスクが少ないユニットを契約することにしました。

運用益はずっとマイナス

地銀担当者は翌年、取引している支店から他店へと異動になりました。
義兄はインターネットからiDeCoの運用経過を見守ることを開始、元本を割ったり、上回ったりの一進一退を繰り返していたようですが、最終的にトントンならと思いそのままにしておきました。
そして、60歳を迎えた3年前、運用益はマイナス。
損切りするのも悔しく、そのまま63歳まで預けたままにしておきました。

平均株価が3万円超えてもマイナス

新型コロナウイルス感染症で、全世界が震撼した2020年。
お義兄さんのiDeCoは更に含み損を抱え、半ばあきらめの心境であったようですが、その後、2021年2月、30年ぶりに平均株価3万円を超えても、含み損は解消されず。
姉夫婦は、iDeCoはそんなものかと思っていたそうです。

しかし、その頃、私のiDeCo運用益は、ゆうに10%超え。

初めて、義兄がiDeCoに加入していたことを知りました。
13年前から運用していて、運用益がでないって、運用下手すぎなんじゃないの?と私が言ったことを境に、義兄はまたGoogleサーチの鬼と化しました(笑)。
そして、「預けていても元本を回復することはない。一時金で一括受け取りしよう」と決断しました。

情にほだされたのが仇になったよね

結局、数万円ほどの損切りをして一括受け取りを選択し、義兄のiDeCoは終了しました。

「手数料を稼いで来いと言われて、ノルマ達成することが目的だったんだね」

元本を割る可能性がある、それはちゃんと説明されましたし、義兄たちも理解していました。だからこそ、損を含んでも株はそういうものと思いつつ、運用会社を変更しないで持ち続けたのでしょう。

想像するに、手堅いユニットを契約し、運用実績は数パーセント上回っていたかもしれないけど、手数料が高かった。ネットバンクと地銀手数料の差は大きいです。

いわゆる「手数料負け」で終了したのかと。

もうかなり前から、地銀の個人客への対応は変化していました。

両親が付き合っていた頃は、相談すれば、知恵を絞ってくれましたし、忙しい中、いろんな手続きも損をさせないよう、細心の注意を払ってくれました。

iDeCoを勧めてきた担当者も、iDeCoがどんなものか、どうすればお客さんの利益になるか、よくわからないまま売ってたのでは、と想像します。

最近別件で、義兄たちにとって、腹に据えかねる事があり、ついに姉たちはメインバンクを替えました。(iDeCoの件は完全に自分たちの勉強不足だったと姉夫婦は考えています。)
慌てて、担当者が謝罪に来たそうですが、割り切れない思いの姉の気持ちが覆ることはなく、両親からの付き合いのあった地方銀行との縁が切れました。

情にほだされて助けたら、その分応えてくれる余裕はもうなくなった、気がついていたけど、なんとなく、両親の代からの付き合いだからと目をつむってきた。

今回のことは、姉夫婦もそうですが、私にとっても大きな教訓となりました。
情けはかけても、ダメだと思ったらはっきりNoと言おう。
昭和のいい時代に育った我々は、すぐに忘れる(笑)。
それも問題ですが。

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